We always think of exhibition.
展示設計をするにあたってかならず考える必要があること。
ここでは「和の見せ方」について考えています。
写真それ自体で和を表すことはもちろんですが、展示の見せ方として和のしつらえを醸すことは可能でしょうか。ギャラリーで和の空間を選ぶというのはひとつの手かもしれません。多くはありませんが、東京、京都、大阪などにあります。だいたいは古民家を改装しているところ、あるいは蔵を改装しているところなどが見られます。中には茶の間をそのまま壁を白くしたなど変わった設えも。それでも和の空間にそのまま和の写真を見せることが果たして正解なのだろうか、と思いました。むしろ古民家や蔵作りの中には、そこにありそうなものよりも、モダンな洋風の物の方がギャップがありマッチしてくるように思います。寧ろ空間それ自体の個性から、野暮ったくなるような事はさけたくなるのが心情ではないでしょうか。
和は、紙選びか、あるいはフレームか
和のテイストを出す最も簡単な方法、それは紙選びで和紙を選択すること。さらにはその和紙にプリントした写真を掛け軸のように飾れば完全に和の雰囲気になります。その場合はずっと縦長にして飾ればまるで掛け軸のような見せ方が出来るのではないでしょうか。しかし、そこまでするとむしろそれは写真芸術からはまた少し離れていってしまう気がします。
和風をアートピースたらしめるのはモノクロームと縦の構図
何が正解というのはもちろんありませんが、白壁のギャラリーで和の写真表現をするならモノクロームと縦の構図でまとめる。くらいの表現方法が最も美しいのかもしれません。紙はマット紙も良いですが、むしろ本来的な良さを見せるためにバライタのような選択がベストに思えました。洋の空間を壊さずに和を調和させる、そんな無理難題について今日は考えてみました。